コ ト の ハ




+      +


「美しさ」の定義が 「ひたむきに向上しようとする姿」ならば

「歩みを止める」ということが 「老いる」ということである

「老い」に「美しさ」を見出そうとするならば

「侘び」と「寂び」を理解するしかない





+      +


悲しみと苦しみと共にあった安らぎは

悲しみと苦しみが去ると共に消え去った

巨大な空虚と共にあるのは 無為の時間

いま鏡に映るのは ひどく虚ろな笑顔

求め続けていたものを 得たというべきかどうか?

忘れる時間が長くなっていくことを 悲しむべきかどうか?





+ <今日の短歌> +


ほろ酔いの 気分を覚ます 告白に 凍てつく月と 凍りつく指


Dec.17 2002


+      +


言葉の刃が その胸を貫くたびに 思い知らされる

傷つけるために 出会ったわけじゃない





+      +


言葉が必要のないときがある ただ強く抱きしめよう

言葉が邪魔になるときがある ただ強く口づけよう

言葉で伝えられないものがある ただ瞳を見つめよう

言葉にならない想いがある ただ孤独を噛みしめよう





+      +


大好きな人の心を傷つけることと

大好きな人に自分の心の痛みを知らせることとは

どっちがより残酷かを考える


逃げるのが一番楽だという結論は ひとまず横に置く





+      +


つないだ手から 聞こえてくる冬

Dec.12 2002


+  <今日の短歌>  +


埒もない 愚痴と泣き言繰り返す 「弱さ」見つめる 電子の鏡


座り込み あくびをしてる 人並みに 身につまされる 破壊衝動


北風に 顎を向けつつ 立ち尽くす 伸びる背筋と 握る拳と


邪魔されて 虐げられていたからこそ 圧力のように 高まる想い


風吹けど 波ひとつなき水面から 窺い知れぬ 水底(みなぞこ)の青

Dec.4 2002


インデックスへ

他の本を見る     カウンターへ行く


e-mail : nesty@dp.u-netsurf.ne.jp