み そ ひ と も じ



2005




年の瀬は 気ばかり急ぐ人の性(さが) 時の流れは 同じなのにね


いまだけは 世界に君と二人だけ 夜が明けるまで Stay with me


鬱々と また考えてばかりいる 少しも動かぬ この両の足


傷口の 醜さだけはもう二度と 見たくはないと しゃがみ込む君


限られた 時間の中の「生」なのに 何も遺さず また夜が明ける


Dec.31 2005




〜クリスマス〜


誰よりも 愛する子らのためにこそ 暖かくあれ 清しこの夜


陽も差さず 風さえ吹かぬこの場所に ただ居ることが 贈り物です


一年に たった一度の聖夜(イヴ)だから せめて今夜は 幸せで居て

Dec.24 2005




〜涙〜


仲直り 決めた途端に泣き笑い もう大丈夫 離さないから


つゆ知らず 誘ってみれば 泣き上戸 休むヒマなく 濡れるハンカチ


もう二度と 流させないと決めたのに 同じ過ち また繰り返す


いにしえの 恋人たちは袖濡らし 文に託した 想い届けと


その歳で 何かといえば男泣き そんなアンタが 嫌いじゃないよ


心から 嬉しいときは自然とね ゆるむ仕組みに なってるらしい


思い出の中のあなたは いつだって 泣き顔ばかり 僕に向けてる


もうすでに 涸れたと思っていた涙 まだこんなにも 残ってたと知る


Dec.19 2005




目に見えぬ 手も触れられぬこの距離に 微かに匂う 闇のぬくもり


昔から 少しも変わらぬ俺が居る きっと死ぬまで 変われないよね


身体から 力が抜けるてゆくような また積みなおす 積み木にも似て


絶望と 怒りと焦りで脳が焼け あふれる言葉 震え出す指


今更ね 痛みも何も感じない 心はすでに 死んでいるから


砂の城 何度作ってみたとても 波にさらわれ またやり直し


時を越え 場所さえ越えて届くもの 呪うも癒すも 同じコトのハ


Dec.14 2005




腰痛い あぁ腰痛い 腰痛い 向き変えるたび 歯を食いしばる(泣


いったいね なんの因果でこんなにも 苦痛賜わる 我が前世かな


高邁な 理想も思想もありゃしない 痛みの前に 止まる言の葉


覗き込む 淵の深さに怖気立つ 見たくないから 蓋をしたのに


久々に 引き抜いてみた刃(やいば)には 錆びひとつなし 竦む斬れ味


Dec.11 2005




歩き去る後姿は 振り返る素振りも見せず 人に紛れる


居酒屋に ジョッキ傾け語る宵 不思議なほどの ゆるやかな時間(とき)


疲れ果て 寝息聞きつつまどろみて 鳥にせかされ また夜が明ける


この海に 深く沈んで想うのは 闇の深さと その暖かさ


Dec.10 2005




欲しいのは 常に自分の味方だけ 痛い言葉に 貸す耳はなし


文と武は 同じ頭脳(ところ)が司る 身体を苛めよ 考える前に


遠い場所 目指して歩く ひたすらに 流れて過ぎる 景色も見ずに


恣意的な 解釈だけで生きてゆく 人を騙して 我も騙して


不思議だね 少しも出ない恨み言 あなたの声で すべて赦せた


目的を いつから見失ったのか 手段にばかり 汲々として


醜さを 認めぬ自分に気付かずに いいわけばかり 並べ立ててる


Dec.8 2005




〜 嘘 〜


それでもね 人の心は移ろうよ 哀しいけれど それが真実


愛憎は 同じコインの裏表 どちらが出るかは その時の運


その言葉 吐いたあなたの誠実に 騙されるなら それも良いさね


いつまでも 同じものなどありゃしない 諸行無常さ 人の心も


騙すなら 騙し抜きなよ墓場まで それがオトナの エチケットでしょ

Dec.7 2005




座り込み あくびしている 人並みに 身につまされる 破壊衝動


北風に みぞれ混じりの雨が降る 腰の痛みと 凍る指先


ゆるやかに 流れる時の中に居て 愛しき女(ひと)を 壊したくなる


朽ち果てて やがては土になる身かな 何を遺すか それが問題


ぐるぐると 廻る階段昇りつつ 巡る景色に 目を遊ばせる

Dec.3 2005



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