み そ ひ と も じ



2001



〜 夢 〜

寒ささえ 忘れるほどの せつなさと 痛みを消して イヴの夜の夢


忘れたと 子供の頃に見た夢を 胸にしまって オトナの仮面


人の世の 永久(とわ)の歴史と この夢を 継いで進めよ 幼き子らよ


小春日の 電車の中で 舟を漕ぐ 夢と現(うつつ)を 行きつ戻りつ


なにひとつ 諦めないと決めたから かなえられるさ そう信じてる


Dec. 23 2001




師も走る 押し迫ってきたこの時期に ふと振り返る 浅眠の日々


後悔をすまじと決めて 今日もまた 同じ過ち 反省もナシ


泡の立つグラスを見つめ 想うのは 1日分の 僕のいいわけ

Dec. 19 2001




〜冬の朝〜

雪景色 朝の光に目を細め 吐く息白く 急ぐ道行き


目覚ましの うるさい音に抵抗し ふとん恋しい 冬の朝かな


清廉な 朝の空気を揺らしつつ 霜踏む音に はしゃぐ我が子よ


Dec. 11 2001




〜冬の雨・冷たい雨〜

傷心の涙を隠す 冬の雨 傘もささずに 空を見上げて


あの時の あなたの声が聞き取れず みぞれ混じりの 道たたく雨


氷雨落つ この街角も 今日だけは 君と並んで 暖かく見る


手を繋ぎ 2人っきりで歩いてく 冷たい雨の 止んだ海岸


Dec. 3 2001




〜クリスマス〜

キリストに 感謝をしても いいかもね 君と過ごせる 清しこの夜


もみの木を 心のままに飾っては 目を輝かす 我が娘たち


幼子や サンタクロースの正体を 知らずに眠る その枕元


街路樹の イルミネーションに照らされた イヴを彩る 白き妖精


Dec. 2 2001




眩さに 目を逸らし行く 後朝(きぬぎぬ)よ この残り香と 鳥のさえずり


不覚にも 師走を迎え想うのは この1年(ひととせ)の 無駄ばかりなり


今日もまた 君の可愛いヤキモチを 目を細めつつ 楽しんじゃうね


その嘘の 罪を地獄に持ち逝くと 心に決めた 冬の深更


手のひらで 刹那に消えた初雪の その儚さに なにものか見る


事なかれ その生き様に嫌気さす 打たれる杭に なれぬものかな


現世(うつしよ)と 夢の狭間を彷徨えば 紫煙のごとき 自我の明滅


檻ありてこその自由と知りながら またその檻を 壊そうとする


1歩でも 先に進めと念じつつ この世のことは ままならんよね


Dec. 1 2001




夕暮れに 今日も1人でジョッキ空け 煙吸い込む 帰り道かな


なんなのよ 言いたいことも言えないの? それでホントに つき合ってるわけ?


言われてね 僕もようやく気が付いた この居場所こそ 宝物です


その闇の 影の冥(くら)さに脅えてた 闇の深さを 知ることもなく


  その声が いつも起こしてくれるから 独り寝の夜も 寒くないです

Nov. 30 2001




朝イチで 飲むのは昨日のビールなり 美味くないのに なぜか捨てれず


今朝もまた 寝ていた自分に気がついた 朝一番から ベット恋しい


毎日を 仮眠で過ごす コタツムリ そんな言うほど 若くないのに


Nov. 27 2001




飄々と浮世を渡る 酔っぱらい 背負った荷物と 傷を隠して


  霜月も いつの間にやら終えそうで なにも変われぬ 焦りだけある


消え果てた 夢の在処(ありか)とため息を 忘れぬように 独り行く旅


頂(いただき)を目指して登る この道は 雲に霞んで 先も見えない


言い難い この苛立ちに 紫煙吐く 酔うに酔われず 寝るに寝られず


Nov. 25 2001




知らぬ間に 開けてとまどうその扉 ゆえなき嘘と 我を騙して


くだらぬと 捨てて進んだハズなのに 引きずりて行く 名も知らぬよに


逢わずとも 僕には見える その涙 この隔たりを 越えよ届けよ


懲りもせず また重ねてる その努力 時の浪費と 知りはしてても


限界を 越えたところにあるハズの その高みこそ 強く惹かれる


その罪に堕ちて汚れた この両手 血塗られた嘘 贖罪の日々


Nov. 23 2001




偶然に 君と出会った交差点 これを奇跡と 人は言うかな?


情熱の冥き血潮や 恋心 尊(たか)き心と 猛る欲望


この想い 届けとばかり言う人の げに怖ろしき 思い込みかな


遠き星 見やりて想う人の世の この小ささと この愚かしさ


塵芥 散らして疾るほうき星 夢よ届けよ 流れ星かな


荒神の 荒ぶる御霊 鎮めては 浄き想いを 疾(と)く聞こし召せ


永遠に続く営み この惑星(ほし)は 咎人たちの 夢のゆりかご


Nov. 19 2001




一仕事 終えてグラスに泡が立ち 酔いのまにまに 宵にまかせて


この時と 決めたあなたの眼差しの その眩さに 言葉失う


ただ1人 煙草と過ごす夜更かしに 孤独の愉悦 シアワセの檻


キーボード 叩いて今日も待ち人と 見えぬ逢瀬と シャレ込みますか


もしかして 遠い世界に生まれても きっと出会うよ ねぇダーリン?


想像と 違うあなたのその言葉 渡しそびれた このプレゼント


この願い 聞き届けてと懸命に 祈る神さえ いはしないのに


朝霧の 濡れた空気に焔立つ 細い煙草に 命宿して


嫋々と 鳴る銀線のその音の 深き想いに 心振るわす


いつの日か そうなるための今だから やせ我慢だと 人が言っても


この心 縛るあなたの言の葉の 裏の意味さえ 読めぬ幼さ


Nov. 15 2001



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