[飾り棚]


古ぼけたランプを手にとってみた。

よほど長い間放置されていたのだろう。

黒い汚れが指に付いた。


よく見ると、おそろしく細かい文字のようなものが

ランプ全体に刻み込まれている。


「慧眼ですね。

そのランプに目を付けるとは・・・」


いつの間に移動したのか、

背後に静かな微笑を浮かべた少年が立っていた。


「これは 『 アルバザードのランプ 』 と呼ばれるものです。

なかなかの逸品ですよ」


丸縁眼鏡の奥の糸目がさらに細くなった。


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