口頭無形分化剤 その38


「恋愛遊戯?」


 あざみさんから、とんでもないリクを頂いてしまいました(苦笑
 今日のテーマは、「恋愛遊戯」です。

 体験談を、語れと言われてるんですよねぇ。
 ってもねぇ・・・。
 困ったなぁ(泣


 例えばね。
 こんなのはどうでしょう。

 僕が大学入ったばっかりの頃の話です。
 大学の入学式前・・・春休み中に大学側が主催したオリエンテー ションがありまして。
 僕はイベント好きですので当然ながら参加したんですが、そこで たまたまグループが一緒になった女性がいました。
 歳は1つ上だから、当時たしか19歳。
 背が僕より高く、スレンダーで、なおかつ美人。
 僕は可愛い女の子が好きですから、美人さんは正直苦手なんです が、その女(ひと)とはどういうわけかひどく気が合いまして。
 なんで気が合ったのかは謎なんですが、後から考えると、僕と彼 女は他の学生連中とは、どっかで意識の持ち方が違ってたんですね。
 大学をスキルアップの場だと考えていて、現状にまるで満足していない。
 読書家でその趣味が広く、しかもテレビの娯楽番組をほとんど見な いから、話の内容が周りの連中とひどく違う。政治経済から源氏物語 まで話せるわけです。
 そういうところで、なにか通じるところがあったのでしょう。

 彼女が僕をどう思っていたかは知りませんが、僕にとっては彼女は なかなか特殊で面白い存在でした。
 まず、彼女は驚くほど開けっぴろげな女なんですね。下ネタだろ うが他人の悪口だろうが平気です。生理の話だろうが、自分の乳の 話だろうが、気に入らない女の話だろうが、普通に話すんですよ。 そういうタイプの人間がそれまで僕の周りにいなかったもんだから、 僕にはとても新鮮でした。
 さらに彼女は自分というものを常に持っていて、どんなことでも主 体的に捉え、かつ自分なりの見解を持っている。だから話していて、 僕が気付かされたりすることも多く、会話そのものが非常にエキサイ ティングでした。
 まぁようするに、お互い一緒に話すことが楽しかったということで しょう。

 それから大学が始まって、キャンパスで彼女と再会するのですが、 僕はその日のうちに、彼女を部屋へ連れ込むことに成功します。
 と言うと、ひどく誤解を生みそうですね(苦笑
 一緒に晩飯でも食うかぁ、ということになり、僕の部屋で夕飯を振 る舞うことにしたわけです。
 お互い一人暮らしだったこともありますが、彼女が、料理というも のがまったく作れない女(ひと)だったということも原因の1つでしょ うね。まぁ、今から考えれば、のこのこついて来るのもどうかと思う んですがぁ(苦笑

 二人でたらふく食ってしこたま飲んで、疲れるまで話しましたね。
 気が付けば夜中ですよ。
 お互いそうとう酔っぱらってまして・・・

「もう私寝るからぁ〜」

 と言うと、彼女はさっさと僕のベットに入り、布団を被っちゃったわ けです。

 これはどういうことでしょう?(苦笑

「寝るだけだったら、一緒に布団入って良いよぉ〜」

 とかまで言うのです。
 その時の僕の顔は、さぞかし面白かったでしょうね(苦笑

 まぁ、普通に考えれば状況は「据え膳」なわけで、僕的には食っ ちゃっても良かったんでしょうが、「据え膳食わぬは男の意地」みた いな奇妙なプライドも、僕の側にあったりするわけです。
 別に口説いて落としたわけでもなく、つき合うなんていう話が出た わけでもなく、まして食ってくださいと言われたわけでもなく(当たり 前だ
 そのとき彼女は処女でした。
 それも、引っかかりとしてなかったとは言えませんね。
 結局その夜、僕は床で眠り、朝になって彼女は、二日酔いの頭を 抱えながら帰っていきました。
 「もったいなかったなぁ・・」という後悔は多少ありましたが、 そうして僕は、その後彼女が別の大学に移るまでの3年間、「女性 の親友」という得難い友を得ることになります。

 彼女とは、その後もよく長話をしましたねぇ。
 そうタイプでないおぼっちゃんとつき合うことになり、初体験をし、 ちょっとお水のバイトをし、軽く不倫をし・・・そういう話を、僕はリ アルタイムで聞きました。
 お互いに愚痴を言い合い、酒を飲み、「今度、俺のエロ漫画家と してのプライドを賭けてえっちしよ〜」などとくだらない冗談を言い、 将来の夢を語り合い・・・。
 年を重ねる事に頻度はだんだんと落ちていきましたが、彼女が学 校を変えるまで、そんな関係が続いていました。
 今ではお互い連絡先も知らないようになってしまいましたが。

 これは確かに、恋愛とは言わないでしょうねぇ。
 でも、妙に濃い関係ではありました。
 僕は彼女の生理のサイクルまで知ってましたからね(笑
 親や彼氏に言えないことでも、彼女は僕には話せたのでしょう。

 もう思い出すこともなくなりましたけどね。
 でも、なにかの拍子に彼女と再会するようなことがあれば、きっと あの頃と同じような気楽さと気安さで、話ができる気がしますね。
 一緒に酒を酌みながら・・・


 あ〜ゆ〜友達は、気持ち良いモンだと、今でも思いますね。
 今なら、例えば彼女とえっちしちゃったとしても、やっぱり友達で いられるような気がします。
 これは、男の側の発想なのかもしれませんがね。


 さてさて、「例えば」を長々と語ってしまいましたが・・・。
 この話は、はたして体験談なのか、はたまた創り話なのでしょうか・・・?
 そこは、皆さんのご想像にお任せしましょうかね(笑  

H.14 5/25



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