コ ト の ハ





+      +


あなたが望むなら 僕はあなたを汚そう

あなたが望むなら 僕はあなたを貶そう

あなたが望むなら 僕はあなたを犯そう


あなたがそう望むなら 僕はいくらでも壊れよう

Dec. 25 2001




+ 「今日の短歌」 +

〜 夢 〜

寒ささえ 忘れるほどの せつなさと 痛みを消して イヴの夜の夢


忘れたと 子供の頃に見た夢を 胸にしまって オトナの仮面


人の世の 永久(とわ)の歴史と この夢を 継いで進めよ 幼き子らよ


小春日の 電車の中で 舟を漕ぐ 夢と現(うつつ)を 行きつ戻りつ


なにひとつ 諦めないと決めたから かなえられるさ そう信じてる


Dec. 23 2001




+ 「今日の短歌」 +


師も走る 押し迫ってきたこの時期に ふと振り返る 浅眠の日々


後悔をすまじと決めて 今日もまた 同じ過ち 反省もナシ


泡の立つグラスを見つめ 想うのは 1日分の 僕のいいわけ





+ 「答えてよ」 +


失った居場所を求めては 彷徨い
静かな目覚めを探しては 移ろい

流れる時の中で 耳に残る音を
孤独な闇の中で 心に残る光を

夢見ることを忘れた 子供
踊りかたを忘れた 踊り子

混乱する愛情
交錯する愛憎

この想いの行きつく先に いったい何が待っているというのか


Dec. 19 2001




+ 「恩師」から一言 +


何度 同じ過ちを 繰り返すつもりだい?






+ 「手紙」 +


前略

あなたに逢えなくなって ずいぶんと時間が流れてしまいました
手紙を書こう 書こうと 思ってはいたのですが
現実の忙しさに追われ 書けないままに時間を過ごしてしまいました
こうしてあなたにお手紙するのは ほんとうに久しぶりな気がします

お元気ですか?
もちろん 元気ですよね

僕の方は 相変わらずです
元気に 脳天気にやっています

こうしてあらためて振り返ってみると
あれから もう信じられないほど時が経ってしまっていて
その時その時を 精一杯過ごしてきたとは言いながら
それでも 時間の流れというものの
無慈悲さ 残酷さを 思い知らされていまいます

すこし歳をとってしまったからかもしれませんが
最近は あの 僕たちが共に走っていた時のことを
不意に思い出してしまったりすることがあります

あの頃は お互いに 若くて 幼くて
今から考えれば ほんの些細なことでさえ
ムキになって 意地になって 我を張り合っていた気がして
おかしくもあり そしてほんのすこし寂しくもあり・・・

それが 僕たちの「純粋さ」であったのかと
今頃になって ようやく気付くことができるようになりました



もうすぐ クリスマスですね
僕とあなたが 初めて出会ったのも
ちょうどそのくらいの季節であったように思います

苦しかったことも 哀しかったことも
不思議と 良い思い出になってしまっていて
思い出すたびに こみ上げるのは
懐かしさと 青臭い気恥ずかしさと
一生懸命だった僕たちに対する
えもいわれぬ 愛おしさであったりします


後悔を しているのではありません
僕たちは確かに真剣だったし 一生懸命でした
二人で出した結論は 今から考えても
  決して間違ってはいなかったと思います

けれど・・・・

確かに 間違いではなかったけれど・・・
他にもなにか 道があったのかもしれないと
今さらながら 考えてしまうのは
僕が あの頃より ほんの少しだけ
成長したということなのだと 思ったりしています


そう 今さらです
ちょっと 滑稽ですね



別に なにか特別伝えたいことがあったわけではありません
思いついたら こんな手紙を書いてしまっていました
古い昔の思い出話と 笑ってもらえれば幸いです



すこし長くなってしまいました
そろそろ 筆を置くことにしますね

では またいつかお逢いできる日まで
どうか お身体にお気をつけて
お健やかにお過ごし下さいますよう−−


草々


Dec. 12 2001




+ 「今日の短歌」 +

〜冬の朝〜

雪景色 朝の光に目を細め 吐く息白く 急ぐ道行き


目覚ましの うるさい音に抵抗し ふとん恋しい 冬の朝かな


清廉な 朝の空気を揺らしつつ 霜踏む音に はしゃぐ我が子よ



Dec. 11 2001




+ 依存症 +

切れ味の鈍い刃物は
斬る箇所の細胞を押しつぶす

鋭利な刃物がするように
スマートに切り裂くことができないから
つぶされた細胞は死に 死んだ細胞は腐り
傷は化膿し 死臭を放つ膿を吐く

切れ味の鈍い刃物を
数ヶ所己に突き立てる

肉がはじけ 血が流れる

ザクザクと己を斬りつけては
この痛みを 楽しんでいる自分がいる

傷つけることは 傷つくことなのだと
そのとき初めて気が付いた


Dec. 5 2001




+ 「今日の短歌」 +

〜冬の雨・冷たい雨〜

傷心の涙を隠す 冬の雨 傘もささずに 空を見上げて


あの時の あなたの声が聞き取れず みぞれ混じりの 道たたく雨


氷雨落つ この街角も 今日だけは 君と並んで 暖かく見る


手を繋ぎ 2人っきりで歩いてく 冷たい雨の 止んだ海岸


Dec. 3 2001




+ 「今日の短歌」 +

〜クリスマス〜

キリストに 感謝をしても いいかもね 君と過ごせる 清しこの夜


もみの木を 心のままに飾っては 目を輝かす 我が娘たち


幼子や サンタクロースの正体を 知らずに眠る その枕元


街路樹の イルミネーションに照らされた イヴを彩る 白き妖精


Dec. 2 2001




+ 「未練な男」から一言 +


元気なら それでいいんだけどね





+ 「今日の短歌」 +


眩さに 目を逸らし行く 後朝(きぬぎぬ)よ この残り香と 鳥のさえずり


不覚にも 師走を迎え想うのは この1年(ひととせ)の 無駄ばかりなり


今日もまた 君の可愛いヤキモチを 目を細めつつ 楽しんじゃうね


その嘘の 罪を地獄に持ち逝くと 心に決めた 冬の深更


手のひらで 刹那に消えた初雪の その儚さに なにものか見る


事なかれ その生き様に嫌気さす 打たれる杭に なれぬものかな


現世(うつしよ)と 夢の狭間を彷徨えば 紫煙のごとき 自我の明滅


檻ありてこその自由と知りながら またその檻を 壊そうとする


1歩でも 先に進めと念じつつ この世のことは ままならんよね






+ Down Force +

縛り付けるがいい 風の精霊たちよ
母なるこの大地に 我を縫いつけよ

天に突き上げた拳を
  昂然と空に向けた顎を
激しく抵抗する両足を
力強く広げられた翼を

押し潰す意気込みで
捻り潰すイキオイで

拒絶を差し挟む余地もなく 高圧的に
逃げをうつ暇(いとま)もなく 圧倒的に

我をねじ伏せよ
我を屈服させよ


Dec. 1 2001



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