信長と戦った武将は数多いけれど、信長と争うだけの器量を備え
た男というのは、実はそう多くないと思うんですよ。
武田信玄、上杉謙信、北条氏康、長曾我部元親、島津義久・・・。
時代がもう少し早ければ、毛利元就、尼子経久、斎藤道三・・・。
だれもかれも、信長とまともに戦うことなく世を去っています。
そう考えると、実際に信長が戦った中で最強の武将というのが、
この「鉄砲大名」−−鈴木重秀であるかもしれません。
紀州雑賀に本拠を置く雑賀党は、3000挺ともいわれる鉄砲を抱
え、同じく紀州の根来衆と共に、日本屈指の鉄砲傭兵集団でした。
存在自体が伝説ともいわれている「孫市」こと鈴木重秀は、この
雑賀衆を率い、石山本願寺の先兵として、もっとも苛烈に信長と戦っ
た男として知られています。
イメージは、「無精ひげの似合う野性的な男」。
司馬遼太郎の「尻喰らえ孫市」の印象が強烈ですね。
2002.4.29