口頭無形分化剤 その1


「嘘も方便」について


1・序

 悩んでいることがあります。
 先日、布団に入って考え事をしていて、ふと思い付いたことなので すが、なんだか考えていると、途中から頭が混乱して考えがまとまら なくなってしまって困ってます。
 そんなわけで、文章にしながら自分の頭の中を整理してみようかと 思います。皆さんにも少しだけ、脳ミソの溝掃除だと思ってお付き合 い願いたいのですが…。

2・問題

 では、まずその悩みの種である問題を提示することにしましょう。
   
<問い>
 『嘘も方便』は、正しいか否か?
 ただし、『嘘』は相手を思いやった上でのものとし、それ以外 の『嘘』はこの問いの範囲に含まない。
 また、『嘘』をつく『自分』は男であるものとする。

 くだらないでしょう? あなたはどう考えます?

3・解法1 〜男の場合〜

 それでは、まず『嘘』をつく対象が男性であった場合を考えてみ ましょう。
 …とはいうものの、これは初めから結論は出ているんですね、私 の中で。
 問答無用で答えは“否”!
 誰が何と言おうと“否”です。
 では、それは何故か? 理屈付けをしてみましょう。

 考えられ得る『嘘』の対象は、この場合、知り合い、しかも割り と限られた仲の良い友人でしょう。まったくのあかの他人を思んばか って、『嘘』をつく人は余りいないでしょうし、よしんばいたとしても、 この場合考えなくていいような気がします。
 つまり、状況としては、『仲の良い友人を思って「嘘」をつく』 という、なかなか美しい情景です。見た感じも良さそうなのですが、 しかし、こんなものは“否”です。
 何故でしょう。
 それは、『相手』を思んばかっているのが、しょせん『自分』で しかないからです。どんなに本気になって相手のことを考えたところ で、それは、最後は独善的な独りよがり、つまるところ『パターナリ ズム(過保護主義)』に過ぎません。
 相手にとってよかれと思ったことが、本当に相手にとって良いこと なのか、それを決めることが許されるのは、その『嘘』をつかれる 相手でしか有り得ないのですから、相手に事前に許可を取っている ならともかく、勝手に相手に対して『嘘』をつくのは不許可でしょう (ガン告知の現状を見よ)。

 さらに、ここでその『嘘』をつこうと思った『自分』をかんがみて 下さい。
 貴方のついたその『嘘』は、貴方の、相手への『憐れみ』から 出ていませんか?
 誰かに対して『同情』することは、むろん貴方の勝手です。しか し、『同情』と『憐れみ』はまったく別のもののはずです。貴方の 勝手な解釈で、誰かに対して『憐れみ』をかけるのは、何よりその 相手に対して失礼でしょう。
 つまり、相手が本当の意味で『友』であり、『敵』であるなら ば、『嘘も方便』は不許可なのです。

4・解法2 〜女の場合〜

 さて、やっと本題です。先日来の私の悩みの本質はここにありま す。
 『方便』の相手が女性であった場合、『嘘』はどうなるのでしょ うか?

 これは大変難しい問題を、その中に内包します。
 『TVタックル』の田嶋某女史に読まれたら殺されてしまいそうで すが、私は、本質的に、女性というものは、男にとっての『敵』に はなりにくい。いや、不可能ではないのですが、それが難しいと考 えています。
 現代の日本社会しか、残念ながら私は知りませんし、この議論も、 バックボーンとしては『ここ』を起点にせざるを得ないわけですが、 『敵』すなわち『ライバル』たりうる『友』というのは、女性の場合、 非常に作りにくいように私は思います。
 『女性の権利』がどうとか、女性蔑視がどうとか、そういうことが 云いたいわけではありません。事実私は、女性とは根源的に男性よ り貴いものであると考えています。しかし・・・?

 端的に云ってしまえば、こういうことです。
 女が『敵』になり得るか?
 これだけでも私には大変な議論なのです。しかし、さらに、私の 脳ミソを引っ掻き回す問題があります。
 それは、相手が『愛する人』であったなら・・・

 前提として相思相愛であるとするならば、自分が愛している最愛 の女性に、『嘘』をつくなんてのは、もってのほかのはずです。
 しかし、その女のことを本気で想っているならば、何よりも最優 先しなければならないのは、『自分自身の幸福』でなければならな いはずです。
 『相手』を思いやってこその『方便』ですが、独善的であること に対して、相手の性別は関与しません。ところが、『相手=最愛の 人』であり、『最愛の女』のことを思んばかるのが『自分の幸福』 であった場合、『自分自身の幸福』を追及しているという点におい て、『嘘も方便』は正当化されねばなりません。
 しかし、『正当性』を持つということが『正しい』と介されるの は、社会に依存するところであって、『愛し合う2者間』で意味を 持つかといえば、そうは思えません。
 『嘘は方便でない』とすることが、『相手を想うこと』であって ほしいと私は思うのですが、それには私自身の性別が、どうもそれ を邪魔します。
 すなわち、『男』であることが。

5・まとめという名の逃げ口上

 気違いが、わけの判らないことを云っているようにも見えますね。
 詰まるところ、相手と相思相愛ならば、『自分の好きなようにや る』しかないと思うのですが…。
 是非とも女性側の意見を聞いてみたいものです。

H.7.1.20



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